ISBN:4887242433 単行本 竹内 真理子 DHC 2001/08 ¥2,100
映画を見てきました。映画批評では、上手く検索できなかった(^。^;)ので、写真は原作本のものです。以下は映画の感想〜。
今のNYでは、911テロ以降特に「家庭回帰」の思想が広まりつつあるって某テレビで言われていたけど、
この映画はその「家庭回帰」ができなかった3家族の悲劇、と捉えていいのかな・・・?
あらすじは、主人公の女性キャシーが税金を滞納したために家を差押えられ、追い出されてしまう。のちに行政手続のミスだと分かるのだが、その間に家にイラン系移民一家が渡り住んでしまい、一軒の家の所有をめぐっての攻防が行われるというもの。
この「家」は、にとって、父からの唯一の遺産で、かつての家族の思い出(夫が出て行ってしまい、失意の底にいる)が詰まった掛け替えのないものであり、
イラン人一家にとっても、その家を転売することで、不安定な今後の生活を一変させるための、生きていくためのもので、
どちらも一歩も譲らない。
それゆえに、物語はお互いに絡まりあって転がり落ちていくさまを目の当たりにされる感じ。
ポスターには今世紀最も美しいの悲劇、とか書かれていたけど、決して「美しく」なんてない。
キャシーやその恋人となるレスターの自分勝手とも思える行動には、どちらかというと不快な気分にさせられる。
特にレスターの行動は、キャシーのために家族は捨てる、警察としての職権は乱用する・・・と、この人自身が一番物語を掻き乱しているのだけど、そもそもなぜキャシーにそんなに惚れてしまったのか、その展開に納得できない(^_^;)
キャシーも、精神的に不安定とはいえ、感情的になりすぎかと・・・。
登場人物たち皆がイイ人過ぎて、それでもすれ違ってしまって、不幸が起きるって言うなら、泣いてしまうかもしれないけど、これはそうでもないのよね・・・(ちょっと厳しい意見ですが・・・(^^ゞ)
反対に、それゆえに現実味があるというか、良くも悪くも人間らしさ、人間くささが表れていたようには、思えます。
一方でイラン系移民一家のご主人、ベラーニ元大佐には、かなり同情できる部分があります。
国をなくし、主君をなくし、渡米して、かつての栄光から労働者階級に身を落としてでも家族を守り養っていかなくてはならない父親の姿が描かれています。
多少世間に厳しく当たっても、それは守るべきものがあるから。
家族の安心と笑顔がかかっているから。
行動も言葉も、(ほんの一部を除いて)紳士的で納得がいくもの。なのに、不幸に見舞われてしまったのは、家族を守ることだけに固執しすぎてしまったからなのでしょうか・・・。
アメリカの抱えるさまざまな問題、マイナス点を掛け合わせた部分が多数あるけど、これは「美しい悲劇」なんかじゃない。
だって、これはともすれば自分で防げたかもしれない悲劇だもの。
それを美しいなんていうのは、甘えのように思える。
自分の力ではどんなに抗ってもどうしようもできないものが現れたとき、それを「悲劇」というべきだと思う。
とりあえず、家にきた郵便物はすべて開封しましょう。 すべてはここから。
映画を見てきました。映画批評では、上手く検索できなかった(^。^;)ので、写真は原作本のものです。以下は映画の感想〜。
今のNYでは、911テロ以降特に「家庭回帰」の思想が広まりつつあるって某テレビで言われていたけど、
この映画はその「家庭回帰」ができなかった3家族の悲劇、と捉えていいのかな・・・?
あらすじは、主人公の女性キャシーが税金を滞納したために家を差押えられ、追い出されてしまう。のちに行政手続のミスだと分かるのだが、その間に家にイラン系移民一家が渡り住んでしまい、一軒の家の所有をめぐっての攻防が行われるというもの。
この「家」は、にとって、父からの唯一の遺産で、かつての家族の思い出(夫が出て行ってしまい、失意の底にいる)が詰まった掛け替えのないものであり、
イラン人一家にとっても、その家を転売することで、不安定な今後の生活を一変させるための、生きていくためのもので、
どちらも一歩も譲らない。
それゆえに、物語はお互いに絡まりあって転がり落ちていくさまを目の当たりにされる感じ。
ポスターには今世紀最も美しいの悲劇、とか書かれていたけど、決して「美しく」なんてない。
キャシーやその恋人となるレスターの自分勝手とも思える行動には、どちらかというと不快な気分にさせられる。
特にレスターの行動は、キャシーのために家族は捨てる、警察としての職権は乱用する・・・と、この人自身が一番物語を掻き乱しているのだけど、そもそもなぜキャシーにそんなに惚れてしまったのか、その展開に納得できない(^_^;)
キャシーも、精神的に不安定とはいえ、感情的になりすぎかと・・・。
登場人物たち皆がイイ人過ぎて、それでもすれ違ってしまって、不幸が起きるって言うなら、泣いてしまうかもしれないけど、これはそうでもないのよね・・・(ちょっと厳しい意見ですが・・・(^^ゞ)
反対に、それゆえに現実味があるというか、良くも悪くも人間らしさ、人間くささが表れていたようには、思えます。
一方でイラン系移民一家のご主人、ベラーニ元大佐には、かなり同情できる部分があります。
国をなくし、主君をなくし、渡米して、かつての栄光から労働者階級に身を落としてでも家族を守り養っていかなくてはならない父親の姿が描かれています。
多少世間に厳しく当たっても、それは守るべきものがあるから。
家族の安心と笑顔がかかっているから。
行動も言葉も、(ほんの一部を除いて)紳士的で納得がいくもの。なのに、不幸に見舞われてしまったのは、家族を守ることだけに固執しすぎてしまったからなのでしょうか・・・。
アメリカの抱えるさまざまな問題、マイナス点を掛け合わせた部分が多数あるけど、これは「美しい悲劇」なんかじゃない。
だって、これはともすれば自分で防げたかもしれない悲劇だもの。
それを美しいなんていうのは、甘えのように思える。
自分の力ではどんなに抗ってもどうしようもできないものが現れたとき、それを「悲劇」というべきだと思う。
とりあえず、家にきた郵便物はすべて開封しましょう。 すべてはここから。
コメント