世界の子ども兵―見えない子どもたち
2008年2月10日 読書
ISBN:4794805667 単行本 渡井 理佳子 新評論 2002/07 ¥3,150
18歳以下の子ども兵は、全世界で30万人以上とも言われている。
正確な数字は分かっていない。
それは「見えない」から。
雇った者たちが存在を否定し隠すから。
市民や報道機関、都市部から離れた紛争地域で過ごすから。
そして「消えてしまう」から。
殺されてしまったために、負傷したために、置き去りにされたために。
子どもが、大人の戦争の被害者であると同時に、
子ども自身が、殺し、奪う、戦争の「加害者」にもなってしまう。
暴力と貧困と極度の緊張の中からなんとか生還できたとしても、
たとえ長い紛争が終わったとしても、
そのころには成人になっており、子ども兵だった事実は隠れてしまう。
そして遊ぶ機会も学ぶ機会も得られなかった彼らは、
文字も読めず、安定した仕事に就くこともできず、
農業などの、「生産」する技術・知識もなく、
唯一持っているのが、「戦う技能」であり、
紛争が終わった後も、治安を悪化させる原因にさえ、なってしまう。
居・食・住、
遊ぶ時間、学ぶ時間、
命が脅かされることのない生活、
私が成長するまで、生産能力を得られるようになるまで
辛抱強く待ち、育んでくれる家庭、地域、国。
そういったものを、当たり前のように得られた私だけど、
もし、その土地に生まれたとしたら、
もし、同じ条件下で育ったとしたら、
もし、家族中が飢えてて、父は戦争に行っていなくて、お金も食べるものもない中で、
組織に入れば食べ物をくれるのだと声を掛けられたら、
多分同じようなことをしてしまうと思う。
闇に葬られ、隠されてしまう彼らの存在を
少しでも正確に、多くの人に知ってもらいたい。
―――そういう気持ちのこもった良書です。
----------------------------------------------
応援してます!参加してます!
セーブ・ザ・チルドレン http://www.savechildren.or.jp/
ワールドビジョン・ジャパン http://www.worldvision.jp/
18歳以下の子ども兵は、全世界で30万人以上とも言われている。
正確な数字は分かっていない。
それは「見えない」から。
雇った者たちが存在を否定し隠すから。
市民や報道機関、都市部から離れた紛争地域で過ごすから。
そして「消えてしまう」から。
殺されてしまったために、負傷したために、置き去りにされたために。
子どもが、大人の戦争の被害者であると同時に、
子ども自身が、殺し、奪う、戦争の「加害者」にもなってしまう。
暴力と貧困と極度の緊張の中からなんとか生還できたとしても、
たとえ長い紛争が終わったとしても、
そのころには成人になっており、子ども兵だった事実は隠れてしまう。
そして遊ぶ機会も学ぶ機会も得られなかった彼らは、
文字も読めず、安定した仕事に就くこともできず、
農業などの、「生産」する技術・知識もなく、
唯一持っているのが、「戦う技能」であり、
紛争が終わった後も、治安を悪化させる原因にさえ、なってしまう。
居・食・住、
遊ぶ時間、学ぶ時間、
命が脅かされることのない生活、
私が成長するまで、生産能力を得られるようになるまで
辛抱強く待ち、育んでくれる家庭、地域、国。
そういったものを、当たり前のように得られた私だけど、
もし、その土地に生まれたとしたら、
もし、同じ条件下で育ったとしたら、
もし、家族中が飢えてて、父は戦争に行っていなくて、お金も食べるものもない中で、
組織に入れば食べ物をくれるのだと声を掛けられたら、
多分同じようなことをしてしまうと思う。
闇に葬られ、隠されてしまう彼らの存在を
少しでも正確に、多くの人に知ってもらいたい。
―――そういう気持ちのこもった良書です。
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応援してます!参加してます!
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ワールドビジョン・ジャパン http://www.worldvision.jp/
Gackt 龍の化身
2008年1月3日 読書
さんざん迷いに迷って、ついに買っちゃいました!
でも、全く後悔することのない、素晴らしい一冊でした!(^^♪
ビジュアル的な美しさは何も語る必要はないでしょう。
写真ボリューム的にも充分満足ですv
そしてそして、合間の文章から、Gacktの謙信役への思いの深さが感じられてよかったです。
特に印象深かったのが、『欲』についての二人の共通項。
"何かひとつの事を成し遂げようとしたときに、自分にとって一番大切なものをどこかに置いておかなければ、本当に欲しいものは手に入らない”という思い。
この考え方の基軸から、謙信は生涯女性への欲を絶ち、Gacktは食への欲を絶っている(もう9年目だとか!)って。
志を立て、自分を律すること。自身の生き方を確立し、継続すること。
その、背筋をピンと伸ばした揺るがない姿勢が、その背中が、素敵なのです!
今までGacktをほとんど知らなかったし、初めて見たときは正直しっくりこなかったのですが、
徐々にGackt謙信の魅力がぐいぐい出てきて、私もぐいぐい引き込まれてしまいました。
新しい謙信像が見れて、本当良かったです!
今回の大河は、声のイイ人も多かったように思えます。
勘助しかり、信玄しかり。もちろんGacktも。
戦の前の、あの腹の底から響く声には痺れましたー!
1/7からBSで再放送があるらしいのだけど、BS見れない我が家の環境が憎らしいです!ガッテム!!
でも、全く後悔することのない、素晴らしい一冊でした!(^^♪
ビジュアル的な美しさは何も語る必要はないでしょう。
写真ボリューム的にも充分満足ですv
そしてそして、合間の文章から、Gacktの謙信役への思いの深さが感じられてよかったです。
特に印象深かったのが、『欲』についての二人の共通項。
"何かひとつの事を成し遂げようとしたときに、自分にとって一番大切なものをどこかに置いておかなければ、本当に欲しいものは手に入らない”という思い。
この考え方の基軸から、謙信は生涯女性への欲を絶ち、Gacktは食への欲を絶っている(もう9年目だとか!)って。
志を立て、自分を律すること。自身の生き方を確立し、継続すること。
その、背筋をピンと伸ばした揺るがない姿勢が、その背中が、素敵なのです!
今までGacktをほとんど知らなかったし、初めて見たときは正直しっくりこなかったのですが、
徐々にGackt謙信の魅力がぐいぐい出てきて、私もぐいぐい引き込まれてしまいました。
新しい謙信像が見れて、本当良かったです!
今回の大河は、声のイイ人も多かったように思えます。
勘助しかり、信玄しかり。もちろんGacktも。
戦の前の、あの腹の底から響く声には痺れましたー!
1/7からBSで再放送があるらしいのだけど、BS見れない我が家の環境が憎らしいです!ガッテム!!
青い光が見えたから 16歳のフィンランド留学記
2007年12月4日 読書
ムーミン童話の誕生地でもあるフィンランド。
ムーミン童話の魅力はなんと言っても、登場人物たちが様々な個性を持ち、
ひとつも妥協せずに自分の好きなように気ままに生きながら、
すべてが調和し合っている姿。
この世界が、トーベヤンソンが単に自分の心の中だけで作り上げた世界なのではなく、
フィンランドの人々の気質から生まれたものなのだと、
トーベヤンソンはそれを想像力豊かに表現しただけなのだと、しみじみ感じました。
フィンランドの気候や風景にも、強く想像力を掻き立てられます!
"闇の世界の住人にでもなったよう”な気分にさせられる、日の昇らない、暗く厳しい冬を越えて、
2月の昼、東に昇る太陽を見たときの、陽が昇ることの喜び。
そして、景色すべてを真っ青に染めてしまう、「青の時」と呼ばれる時間。
北欧の魅力はオーロラだけに留まらないんですね!
憧れの地としての思いは、ますます高まってしまいました!
フィンランド好きにはたまらない一冊(^.^)♪
世界学力1位で注目されてるフィンランドの授業にも、もちろん触れられているので、
その謎が気になる方にもイイと思います。
ムーミン童話の魅力はなんと言っても、登場人物たちが様々な個性を持ち、
ひとつも妥協せずに自分の好きなように気ままに生きながら、
すべてが調和し合っている姿。
この世界が、トーベヤンソンが単に自分の心の中だけで作り上げた世界なのではなく、
フィンランドの人々の気質から生まれたものなのだと、
トーベヤンソンはそれを想像力豊かに表現しただけなのだと、しみじみ感じました。
フィンランドの気候や風景にも、強く想像力を掻き立てられます!
"闇の世界の住人にでもなったよう”な気分にさせられる、日の昇らない、暗く厳しい冬を越えて、
2月の昼、東に昇る太陽を見たときの、陽が昇ることの喜び。
そして、景色すべてを真っ青に染めてしまう、「青の時」と呼ばれる時間。
北欧の魅力はオーロラだけに留まらないんですね!
憧れの地としての思いは、ますます高まってしまいました!
フィンランド好きにはたまらない一冊(^.^)♪
世界学力1位で注目されてるフィンランドの授業にも、もちろん触れられているので、
その謎が気になる方にもイイと思います。
ISBN:4163663207 単行本 大田垣 晴子 文芸春秋 2004/09 ¥1,155
画文家・大田垣晴子さんの、各界で活躍されている方とのインタビュー集。
日常でも本でも、様々な仕事の話を聞けるというのは、純粋に面白いです。
それぞれの職業の方が、その仕事に就くようになるまでの経緯と、
その仕事のやりがいについて語られています。
パッと見、「ケイコとマ○ブ」で出てくるような職業が多いな〜と思ったり。
その仕事が、随分楽しそうに語られているけど、
そんなにその仕事がラクなようにも、楽しいだけのようにも思えない。
多分、そのインタビュー者の、「その仕事が好き」っていう気持ちが、
たぶん、ツライ思い出を緩和しているのだろう、と。
そう感じました。
だから、その表面の華やかさにだまされちゃいけない。
でも、自分の道に悩んでいる学生さんの、道選びの、ひとつのきっかけになる本だと思う。
既に働いてる方でも、自分の仕事とあれこれ比較を楽しみながら読めるかと。
画文なので、さらっと読めますv
画文家・大田垣晴子さんの、各界で活躍されている方とのインタビュー集。
日常でも本でも、様々な仕事の話を聞けるというのは、純粋に面白いです。
それぞれの職業の方が、その仕事に就くようになるまでの経緯と、
その仕事のやりがいについて語られています。
パッと見、「ケイコとマ○ブ」で出てくるような職業が多いな〜と思ったり。
その仕事が、随分楽しそうに語られているけど、
そんなにその仕事がラクなようにも、楽しいだけのようにも思えない。
多分、そのインタビュー者の、「その仕事が好き」っていう気持ちが、
たぶん、ツライ思い出を緩和しているのだろう、と。
そう感じました。
だから、その表面の華やかさにだまされちゃいけない。
でも、自分の道に悩んでいる学生さんの、道選びの、ひとつのきっかけになる本だと思う。
既に働いてる方でも、自分の仕事とあれこれ比較を楽しみながら読めるかと。
画文なので、さらっと読めますv
はじめての落語。春風亭昇太ひとり会
2005年4月5日 読書ISBN:4902516039 春風亭昇太;糸井重里 東京糸井重里事務所 2005/03出版
最初は買うつもりなんてなかったのに、
「ほぼ日(ほぼ日刊イトイ新聞)」の紹介ページをみているうちに、どんどん気になりだしてしまって・・・
結局発売日には、買いに走ってました。
この本がどんなに愛情込めてつくられているか、こう、切々と語られちゃうとね、
じわじわと心をつつくものがあって。
「ほぼ日」は、商品の見せ方というか、この商品の何が一番の見所なのかオススメなのか、
そういう物事の伝え方が上手だなぁ・・・と、しみじみ思います。
最初は全く興味のなかった私が、どんどん惹きつけられていく心の中の変化を、客観的に覚えているので。
だから余計にそう、思う。
前置きが長くなりました。
この本は、落語に全く触れたことのない人が、落語の入り口ともなるようにつくられた本&CDです。
CDを聞いてると、寄席に行きたくなります。
場面場面で、落語家がどんな動きをしているのか、ひっじょーに気になります!
いっそのことDVDにでもして欲しかったッ。
まだ初心者なので、落語家がどういう動きをしているのか、イメージしにくいので・・・。
でもその分、本の方で、
味のある写真とイラストとレイアウトで、
寄席の雰囲気を再現しているので、助かりました。
それどころかこの本のイラストは、さらに笑いを誘ってきます(笑)
想像力の補助をしてくれて、写真から伝わるエネルギーに痺れて、
さらに寄席に行ってみたくなります。
ああもうこれは、寄席に来るようにとつくられた巧妙なワナなのだ、とさえ感じられ(笑)
落語って、、、最初はクスッと笑わされ、
じわじわ肩から震えが起こり、最後は身体全体で笑ってしまうものだったのね。
落語は、「人を元気にしよう!楽しませよう!!」っていうパワーに満ちていて。
落語そのものの面白さもさることながら、そのパワーが心地良い!
寄席に行ったら、会場全体がそのパワーに包まれて、さらに心地いいのだろうなぁ(^.^)
最初は買うつもりなんてなかったのに、
「ほぼ日(ほぼ日刊イトイ新聞)」の紹介ページをみているうちに、どんどん気になりだしてしまって・・・
結局発売日には、買いに走ってました。
この本がどんなに愛情込めてつくられているか、こう、切々と語られちゃうとね、
じわじわと心をつつくものがあって。
「ほぼ日」は、商品の見せ方というか、この商品の何が一番の見所なのかオススメなのか、
そういう物事の伝え方が上手だなぁ・・・と、しみじみ思います。
最初は全く興味のなかった私が、どんどん惹きつけられていく心の中の変化を、客観的に覚えているので。
だから余計にそう、思う。
前置きが長くなりました。
この本は、落語に全く触れたことのない人が、落語の入り口ともなるようにつくられた本&CDです。
CDを聞いてると、寄席に行きたくなります。
場面場面で、落語家がどんな動きをしているのか、ひっじょーに気になります!
いっそのことDVDにでもして欲しかったッ。
まだ初心者なので、落語家がどういう動きをしているのか、イメージしにくいので・・・。
でもその分、本の方で、
味のある写真とイラストとレイアウトで、
寄席の雰囲気を再現しているので、助かりました。
それどころかこの本のイラストは、さらに笑いを誘ってきます(笑)
想像力の補助をしてくれて、写真から伝わるエネルギーに痺れて、
さらに寄席に行ってみたくなります。
ああもうこれは、寄席に来るようにとつくられた巧妙なワナなのだ、とさえ感じられ(笑)
落語って、、、最初はクスッと笑わされ、
じわじわ肩から震えが起こり、最後は身体全体で笑ってしまうものだったのね。
落語は、「人を元気にしよう!楽しませよう!!」っていうパワーに満ちていて。
落語そのものの面白さもさることながら、そのパワーが心地良い!
寄席に行ったら、会場全体がそのパワーに包まれて、さらに心地いいのだろうなぁ(^.^)
ISBN:4093873739 単行本 穂村 弘 小学館 2002/03 ¥1,365
歌人・穂村弘のエッセイ集。
この人のことは全く知らないままに読み始めたのだけど、受けた印象は
「ドラえもんに会えなかったのび太」
会えないうちに大人になってしまったのび太。
のび太はドラえもんと会えたことによって世界とのつながりを明確にし、道案内をされ、溶け込んでいくことを知る。
だけど、ドラえもんに会えなかったその他ののび太は・・・?
どうやって世界と繋がっていくのだろう・・・?
エッセイ集ってのは結構な割合で、どこかに著者の自慢が散らばっている。
おしゃれな生活をしてるとか。
時代の先端をいっているとか。
考えが独創的だとか。
「自分だけ」っていう個性の主張とか。
それはどんなに綿密に計算して隠そうとしても、そこはかとなく滲み出てくるもので。
たとえ笑い話で読者を楽しませようとしたものでさえ、しばしばありえる。
だけどこの人の本からはそれが感じられない。
ただ「ネクラな自分」がいるだけ。
淡々と「ネクラな自分」を語るだけ。
なのに、
ただそれだけなのに、自分の心の中にちくちくと刺してくる。
自分が自覚しなかった(したくなかった?)「ネクラな私」をも浮上させる。
隠して蓋をして、閉じ込めて、まるで何事もないように振舞う私(あなた)の中にも
そういう感情をもっているだろう?って思い起こさせる。
お店に入った瞬間、気に入った服をぱっと選んでしまえる人に、
体育祭のゼッケンをつけてあげたいと思う女子がいっぱいいるのに自分でさっとつけてしまったクラスメイトに、
ただただ「敵わない」と実感してる。
そういう人にはなれないとも。
小心者で気が弱い。なのに「ネクラな自分」にどこか潔い。
その矛盾がちょっと面白い。
「ネアカな人」ならこの本は理解できないだろう。それでいいとおもう。
歌人・穂村弘のエッセイ集。
この人のことは全く知らないままに読み始めたのだけど、受けた印象は
「ドラえもんに会えなかったのび太」
会えないうちに大人になってしまったのび太。
のび太はドラえもんと会えたことによって世界とのつながりを明確にし、道案内をされ、溶け込んでいくことを知る。
だけど、ドラえもんに会えなかったその他ののび太は・・・?
どうやって世界と繋がっていくのだろう・・・?
エッセイ集ってのは結構な割合で、どこかに著者の自慢が散らばっている。
おしゃれな生活をしてるとか。
時代の先端をいっているとか。
考えが独創的だとか。
「自分だけ」っていう個性の主張とか。
それはどんなに綿密に計算して隠そうとしても、そこはかとなく滲み出てくるもので。
たとえ笑い話で読者を楽しませようとしたものでさえ、しばしばありえる。
だけどこの人の本からはそれが感じられない。
ただ「ネクラな自分」がいるだけ。
淡々と「ネクラな自分」を語るだけ。
なのに、
ただそれだけなのに、自分の心の中にちくちくと刺してくる。
自分が自覚しなかった(したくなかった?)「ネクラな私」をも浮上させる。
隠して蓋をして、閉じ込めて、まるで何事もないように振舞う私(あなた)の中にも
そういう感情をもっているだろう?って思い起こさせる。
お店に入った瞬間、気に入った服をぱっと選んでしまえる人に、
体育祭のゼッケンをつけてあげたいと思う女子がいっぱいいるのに自分でさっとつけてしまったクラスメイトに、
ただただ「敵わない」と実感してる。
そういう人にはなれないとも。
小心者で気が弱い。なのに「ネクラな自分」にどこか潔い。
その矛盾がちょっと面白い。
「ネアカな人」ならこの本は理解できないだろう。それでいいとおもう。
ISBN:4334722873 文庫 遠藤 周作 光文社 1996/09 ¥520
「眠れぬ夜に読む本」・・・っというタイトルから、てっきり読んだら眠くなるような話かと思いきや(笑)
眠れないんだからこそ、のんびりあれこれと思いをめぐらせてみよう、とする本でした〜。
話は、人間の生死について考えたものから、趣味に関してまで、広くさらっと遠藤周作の考えが語られます。
それについて、もっと広く考えるもよし。自分の場合は・・・と思いをめぐらすもよし。
遠藤周作オススメの本を読むのもよし。
活用法は幅広いです。ただ平日に読んじゃったらキケン。
のんびりできる時間に、のんびり読むのがぴったりです。
何かに思いを巡らせる、そのきっかけをくれる本。
そしてそして、この本で日本の茶道について書かれている項があるのですが、
『茶道はわびだの、さびだの言っているが、そのくせ眼のとび出るような値段の茶器を使ってみたり、高価な花瓶や釜に執着している茶人が多い。これは矛盾してはいないだろうか』
という疑問に、遠藤周作自身の考えを明快に答えている一文がありました!
私自身、長年不思議に思っていたことだったので、とてもすっきり!!
このページの意見は、たぶん一生忘れない・・・!
「眠れぬ夜に読む本」・・・っというタイトルから、てっきり読んだら眠くなるような話かと思いきや(笑)
眠れないんだからこそ、のんびりあれこれと思いをめぐらせてみよう、とする本でした〜。
話は、人間の生死について考えたものから、趣味に関してまで、広くさらっと遠藤周作の考えが語られます。
それについて、もっと広く考えるもよし。自分の場合は・・・と思いをめぐらすもよし。
遠藤周作オススメの本を読むのもよし。
活用法は幅広いです。ただ平日に読んじゃったらキケン。
のんびりできる時間に、のんびり読むのがぴったりです。
何かに思いを巡らせる、そのきっかけをくれる本。
そしてそして、この本で日本の茶道について書かれている項があるのですが、
『茶道はわびだの、さびだの言っているが、そのくせ眼のとび出るような値段の茶器を使ってみたり、高価な花瓶や釜に執着している茶人が多い。これは矛盾してはいないだろうか』
という疑問に、遠藤周作自身の考えを明快に答えている一文がありました!
私自身、長年不思議に思っていたことだったので、とてもすっきり!!
このページの意見は、たぶん一生忘れない・・・!
ロマンス小説の七日間
2005年3月22日 読書
ISBN:4043736010 文庫 三浦 しをん 角川書店 2003/11 ¥620
海外ロマンス小説の翻訳家・あかりの「現代」の物語と、
あかりが翻訳している小説の物語とが、交差してゆく1冊で2度おいしい物語。
ありきたりのロマンス小説が、あかりの暴走で思いもよらない方向へ、あかり自身の創作に変わっていってしまう(笑)
訳本をどーいう方向に変えてしまうのか、それが分からなくって気になって、読んでる間どきどきしました〜!
そしてあかりによって変更された物語が、これまたイイ作品になっていてv
話の展開が、構成が、どういう方向に流れたらロマンス小説で、
どういう方向に流れたら一般文芸なのか、はたまたファンタジーなのか、
そういうことに興味がある人には楽しめるかと。
あかりのロマンス小説に対するツッコミもおもしろい(笑)
鋭くかつ共感性ありです。
ふたつの物語が一見関係ないようで、最後にひとつのテーマの方向に結ばれていく。その辺の構成も好きですv
蛇足ですが、
著者と物語が同時進行していく話は、個人的にかなり好きだったりします。
山田風太郎の「八犬伝」とか。
これも滝沢馬琴自身の生活と、南総里見八犬伝の物語を同時進行で描いていく本だったのだけど、
最初は「八犬伝」の物語をメインに楽しんでいたのに、
いつのまにか最後には、馬琴自身の、創作の姿勢、
目が見えなくなっても書くことをやめないその姿、その生き方に、
八犬伝の物語以上にどきどきしていた記憶がありますvv
海外ロマンス小説の翻訳家・あかりの「現代」の物語と、
あかりが翻訳している小説の物語とが、交差してゆく1冊で2度おいしい物語。
ありきたりのロマンス小説が、あかりの暴走で思いもよらない方向へ、あかり自身の創作に変わっていってしまう(笑)
訳本をどーいう方向に変えてしまうのか、それが分からなくって気になって、読んでる間どきどきしました〜!
そしてあかりによって変更された物語が、これまたイイ作品になっていてv
話の展開が、構成が、どういう方向に流れたらロマンス小説で、
どういう方向に流れたら一般文芸なのか、はたまたファンタジーなのか、
そういうことに興味がある人には楽しめるかと。
あかりのロマンス小説に対するツッコミもおもしろい(笑)
鋭くかつ共感性ありです。
ふたつの物語が一見関係ないようで、最後にひとつのテーマの方向に結ばれていく。その辺の構成も好きですv
蛇足ですが、
著者と物語が同時進行していく話は、個人的にかなり好きだったりします。
山田風太郎の「八犬伝」とか。
これも滝沢馬琴自身の生活と、南総里見八犬伝の物語を同時進行で描いていく本だったのだけど、
最初は「八犬伝」の物語をメインに楽しんでいたのに、
いつのまにか最後には、馬琴自身の、創作の姿勢、
目が見えなくなっても書くことをやめないその姿、その生き方に、
八犬伝の物語以上にどきどきしていた記憶がありますvv
本ってのはやっぱすごいなぁ・・・と、再実感。
自分が一生出会うことができないであろう人の、物事の考え、生きる知恵を聞き学ぶことができるのだから。
知らない世界や物事を体感させてくれるのだから。
素晴らしい媒介だと思う。
人と人を、見えないところで繋げてくれる。
個人の世界を広くしてくれる。
多謝。
TVとかネットとか、↑のような機能があるものは、現代じゃ他にも色々溢れているけど、
この機能の始まりは、根本的には紙であり文字なのだと思う。
そう思わせてくれた、本を今日読んだ。
じゃ、その本って何?っと思うかもしれないけど、今はそれを上手く伝えられなくて・・・。
あああ、もどかしい。
もうちょっと言葉を上手く扱うすべを覚えなくては。
今日は、漠然とした感想だけ残しておくことに。
自分の言葉にできるようになったら、また書きます。
自分が一生出会うことができないであろう人の、物事の考え、生きる知恵を聞き学ぶことができるのだから。
知らない世界や物事を体感させてくれるのだから。
素晴らしい媒介だと思う。
人と人を、見えないところで繋げてくれる。
個人の世界を広くしてくれる。
多謝。
TVとかネットとか、↑のような機能があるものは、現代じゃ他にも色々溢れているけど、
この機能の始まりは、根本的には紙であり文字なのだと思う。
そう思わせてくれた、本を今日読んだ。
じゃ、その本って何?っと思うかもしれないけど、今はそれを上手く伝えられなくて・・・。
あああ、もどかしい。
もうちょっと言葉を上手く扱うすべを覚えなくては。
今日は、漠然とした感想だけ残しておくことに。
自分の言葉にできるようになったら、また書きます。
ISBN:4104715018 単行本(ソフトカバー) 中野 独人 新潮社 2004/10/22 ¥1,365
本屋で平積みになっていたのを思わず立ち読み。
後から知ったんですけど、かなりメディアでも話題になって紹介されているようですね。
結論から言うと、結構おもしろかったです。
というか、野次馬魂を持っている方なら、大なり小なり楽しめるのではないかと。
元秋葉系オタク青年であった電車男さんが、
ある日電車で、絡みだした酔っ払い男から、女性達を助けます。
そのひとりエルメスさんとの恋模様。
電車男さんはどんな服を着ていくのかも、どんな場所で御飯を食べるべきかも、女性と何を話せばいいのかも、何にも分からない!
そこで登場するのが2chの住人さんたち。
あれやこれやと助言をし、凹み自信をなくす電車男さんを励まし、電車男さんの恋は成就するのか〜?っと、温かく見守っていきます。
一番面白いのが、電車男さんの報告に反応する2ch住人でもあったり(笑)
ほんっとに皆さん野次馬ね・・・(笑)
最初の方を読んだイメージでは、「年下の弟の初恋を見守るお兄さんお姉さん」っていう風に見ていたけど、そのうちだんだんと、「クラスメートとの会話」のようなイメージに変わってきました。
実際に、そんなような会話本です。
「純愛」モノ…?というよりは、「純情青年奮闘記」のような感じ。
ただ、この本は掲示板の雰囲気をそのままに冊子にしたものなので、最初のうちはかなーり読みにくかったです。
掲示板って「おk」とか「うp」とか、変換しないでそのまま書くのね〜(^^;)
何のことなのか分かるまでに時間がかかって・・・。誤字もちょっと気になるし・・・直そうよ〜。他の人は気にならないものなのかな・・・?
あと、エルメスさん、人間できすぎ・・・というか、こんな女の子いるのかな〜とも思ってしまったり〜(^^ゞ
なんだか「とき○モ」とかに出てきそうな子なのでは・・・?
それとも電車男さんの恋愛フィルターのかかった視点で見ているから、なのかな〜?
(゜〜゜)
本屋で平積みになっていたのを思わず立ち読み。
後から知ったんですけど、かなりメディアでも話題になって紹介されているようですね。
結論から言うと、結構おもしろかったです。
というか、野次馬魂を持っている方なら、大なり小なり楽しめるのではないかと。
元秋葉系オタク青年であった電車男さんが、
ある日電車で、絡みだした酔っ払い男から、女性達を助けます。
そのひとりエルメスさんとの恋模様。
電車男さんはどんな服を着ていくのかも、どんな場所で御飯を食べるべきかも、女性と何を話せばいいのかも、何にも分からない!
そこで登場するのが2chの住人さんたち。
あれやこれやと助言をし、凹み自信をなくす電車男さんを励まし、電車男さんの恋は成就するのか〜?っと、温かく見守っていきます。
一番面白いのが、電車男さんの報告に反応する2ch住人でもあったり(笑)
ほんっとに皆さん野次馬ね・・・(笑)
最初の方を読んだイメージでは、「年下の弟の初恋を見守るお兄さんお姉さん」っていう風に見ていたけど、そのうちだんだんと、「クラスメートとの会話」のようなイメージに変わってきました。
実際に、そんなような会話本です。
「純愛」モノ…?というよりは、「純情青年奮闘記」のような感じ。
ただ、この本は掲示板の雰囲気をそのままに冊子にしたものなので、最初のうちはかなーり読みにくかったです。
掲示板って「おk」とか「うp」とか、変換しないでそのまま書くのね〜(^^;)
何のことなのか分かるまでに時間がかかって・・・。誤字もちょっと気になるし・・・直そうよ〜。他の人は気にならないものなのかな・・・?
あと、エルメスさん、人間できすぎ・・・というか、こんな女の子いるのかな〜とも思ってしまったり〜(^^ゞ
なんだか「とき○モ」とかに出てきそうな子なのでは・・・?
それとも電車男さんの恋愛フィルターのかかった視点で見ているから、なのかな〜?
(゜〜゜)
ISBN:4396632339 単行本 島村 洋子 祥伝社 2003/09 ¥1,680
満たされない思いを抱えた女性たちを描く、九つの短編集。
「今ある場所」から、脱却していくわけでもなく、
その状況に「置かれたまま」の女性の気持ちを淡々と描いていった感じ。
タイトルからのイメージで、最終的には未来の希望を感じさせるような話のつくりかと勝手に思っていたら、けして、そうではなかった。
逆に、これからの彼女達の更なる困難を想像させるものもある。
そういうイミでは、結構クールな小説かも。
全体的には暗いつくりなのだけど、最後の「幸福」は、他の8つとまた雰囲気が違っていた。
子供を失って、夫とも離婚してしまった女性の話。
せつない思いの中にも、どこか、温かい気持ちが生まれてくる・・・。この感情は錯覚ではないハズ。
この話が一番最後にあってよかった・・・。
満たされない思いを抱えた女性たちを描く、九つの短編集。
「今ある場所」から、脱却していくわけでもなく、
その状況に「置かれたまま」の女性の気持ちを淡々と描いていった感じ。
タイトルからのイメージで、最終的には未来の希望を感じさせるような話のつくりかと勝手に思っていたら、けして、そうではなかった。
逆に、これからの彼女達の更なる困難を想像させるものもある。
そういうイミでは、結構クールな小説かも。
全体的には暗いつくりなのだけど、最後の「幸福」は、他の8つとまた雰囲気が違っていた。
子供を失って、夫とも離婚してしまった女性の話。
せつない思いの中にも、どこか、温かい気持ちが生まれてくる・・・。この感情は錯覚ではないハズ。
この話が一番最後にあってよかった・・・。
ボクが捨てた「北朝鮮」生活入門
2004年10月22日 読書
ISBN:4344006933 単行本 鄭 銀淑 幻冬舎 2004/10 ¥1,365
北朝鮮を亡命した著書が、その祖国での生活を漫画で語る作品。
すぐに出てきた感想はやっぱり、「アメと鞭の巧みさ」
私から見たら、そのアメはかなり小さくて、ムチはかなり痛いものだけど、
あくまでもそれは今までの私の生活環境を基準として見た感想に過ぎなくって
生まれた頃からこういう環境で育ってきて、さらに他の国と比べる環境がなければ、あまり疑問に思わないのかも・・・。
外に出て初めて気がつくことって多いよね。
何よりも、家族・兄弟でさえも「政治」について語ることができないことが問題。
(家族でさえもスパイになりうる・・・!)
人間って、自分の考えや感じたことを言葉にして語ることで、
改めて自分でも自覚して、だんだん自分のものの考えとして定着していくと思うのだけど、それができない。
だから、「なにかおかしい」と思っても、口に出すこともできない上に、周りもそれを受け入れてるし、よっぽどのことでもない限り、大抵のことは、自分も受け止めるかたちになっていく。
物事を封じ込めてしまっている。
その上、徹底的な崇拝教育に情報の制限・・・。
これはもう、世の中を疑うより信じちゃったほうがラクにもなるよね・・・(ーー;)
でも、自分の考えを自由に話せて、さらに会話によって考えを深めていく・・・
そういうことができない国に、さらなる発展は不可能だと思う。
・・・著者は「殺人と反逆以外には比較的寛容な国」っと語っているけど、
その「反逆」に引っ掛かる部分ってかなり多いんじゃないのかな・・・?
情報を比較的自由に手に入れられる環境があること、
自由に発言する権利をもっていること、
この当たり前のことが成り立っていないのは、理不尽にしか思えない。
まぁ、それを有効的に扱うのも、難しいことなんだけど・・・。
蛇足>儒教の国とはいえ、恋愛に対して比較的自由なのは以外でした〜。
んでも、亭主関白は根強く残っているらしい・・・。
北朝鮮を亡命した著書が、その祖国での生活を漫画で語る作品。
すぐに出てきた感想はやっぱり、「アメと鞭の巧みさ」
私から見たら、そのアメはかなり小さくて、ムチはかなり痛いものだけど、
あくまでもそれは今までの私の生活環境を基準として見た感想に過ぎなくって
生まれた頃からこういう環境で育ってきて、さらに他の国と比べる環境がなければ、あまり疑問に思わないのかも・・・。
外に出て初めて気がつくことって多いよね。
何よりも、家族・兄弟でさえも「政治」について語ることができないことが問題。
(家族でさえもスパイになりうる・・・!)
人間って、自分の考えや感じたことを言葉にして語ることで、
改めて自分でも自覚して、だんだん自分のものの考えとして定着していくと思うのだけど、それができない。
だから、「なにかおかしい」と思っても、口に出すこともできない上に、周りもそれを受け入れてるし、よっぽどのことでもない限り、大抵のことは、自分も受け止めるかたちになっていく。
物事を封じ込めてしまっている。
その上、徹底的な崇拝教育に情報の制限・・・。
これはもう、世の中を疑うより信じちゃったほうがラクにもなるよね・・・(ーー;)
でも、自分の考えを自由に話せて、さらに会話によって考えを深めていく・・・
そういうことができない国に、さらなる発展は不可能だと思う。
・・・著者は「殺人と反逆以外には比較的寛容な国」っと語っているけど、
その「反逆」に引っ掛かる部分ってかなり多いんじゃないのかな・・・?
情報を比較的自由に手に入れられる環境があること、
自由に発言する権利をもっていること、
この当たり前のことが成り立っていないのは、理不尽にしか思えない。
まぁ、それを有効的に扱うのも、難しいことなんだけど・・・。
蛇足>儒教の国とはいえ、恋愛に対して比較的自由なのは以外でした〜。
んでも、亭主関白は根強く残っているらしい・・・。