ISBN:4043736010 文庫 三浦 しをん 角川書店 2003/11 ¥620

海外ロマンス小説の翻訳家・あかりの「現代」の物語と、
あかりが翻訳している小説の物語とが、交差してゆく1冊で2度おいしい物語。

ありきたりのロマンス小説が、あかりの暴走で思いもよらない方向へ、あかり自身の創作に変わっていってしまう(笑)
訳本をどーいう方向に変えてしまうのか、それが分からなくって気になって、読んでる間どきどきしました〜!
そしてあかりによって変更された物語が、これまたイイ作品になっていてv
話の展開が、構成が、どういう方向に流れたらロマンス小説で、
どういう方向に流れたら一般文芸なのか、はたまたファンタジーなのか、
そういうことに興味がある人には楽しめるかと。
あかりのロマンス小説に対するツッコミもおもしろい(笑)
鋭くかつ共感性ありです。

ふたつの物語が一見関係ないようで、最後にひとつのテーマの方向に結ばれていく。その辺の構成も好きですv

蛇足ですが、
著者と物語が同時進行していく話は、個人的にかなり好きだったりします。
山田風太郎の「八犬伝」とか。
これも滝沢馬琴自身の生活と、南総里見八犬伝の物語を同時進行で描いていく本だったのだけど、
最初は「八犬伝」の物語をメインに楽しんでいたのに、
いつのまにか最後には、馬琴自身の、創作の姿勢、
目が見えなくなっても書くことをやめないその姿、その生き方に、
八犬伝の物語以上にどきどきしていた記憶がありますvv

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